Tutanotaを使ってみた。ドイツの暗号メールサービス
2018/12/04,
Tutanota という暗号メールサービスのアカウントを取得しました。
ざっくりと触ってみた感想を。
現在私自身は Protonmail を利用しているので主にそちらとの比較になると思います。
Tutanota とは
ドイツで提供されている 暗号メールサービスです。
軽く触ってみた雑感
- UIは使いやすい
- サーバーが貧弱なのか、しばしば応答無しとなる
- メールにパスワードをかけることで、Tutanota ユーザー以外にも暗号メールが送れる
- 無料で1GB
- 有料だと独自ドメイン可能。しかも安い(一年 12€)
UI は使いやすい
UI は使いやすい印象。ウェブメールを触ったことがある人ならば、戸惑うこともなく操作が可能でしょう。
サーバーは貧弱
サーバーが貧弱なのか、しばしば応答なしとなる時がありました。やや安定性にかけるなという印象です。
暗号メールを送れる
メールにパスワードをかけることで暗号メールを誰にでも送れることができます。
ですが、パスワードをどのように伝えるかといった問題や、Tutanota や Protonmail を使っていないユーザーに対して暗号メールを送ったときに受け入れられるかという問題があります。
独自ドメイン
有料アカウントになると独自ドメインで運用できます。しかも値段がやすく、一年12€ で利用できます。暗号化に興味がないとしても、これは安いので、独自ドメインでメール運用したいという人におすすめできます。
Protonmail と比較して
- Tutanota は PGP をサポートしていない
- Tutanota は安い
現在私は Protonmail を有料アカウントとして利用しています。
Protonmail はGPG暗号を利用しています。GPG暗号は、現在のメール暗号として主流です。Protonmail のほかにも Firefox や Chrome のブラウザ拡張、Thunderbird の Enigmail を利用することでGPG暗号を施したメールのやり取りが可能で、汎用性が高いです。
Protonmail は PGP暗号をフルサポートしているために、ほかツールでPGPメールを運用している人ともやり取りすることができます。
Protonmail と違い、 Tutanota は PGP 暗号をサポートしていません。Tutanota は独自仕様の暗号を利用しています。なので Tutanota では PGP ユーザーとのメールのやり取りは難しいです。
有料アカウントに関してですが、Tutanota は年額 12€、Protonmail は年額48$ とほぼ4倍の値段差があります。Tutanota のほうが安く魅力的です。
日本語化について
記事執筆時点では日本語化はされておりません。ですが、公開されているソースコードの中身を除いてみると、日本語に翻訳されたファイルがあったので、じきに日本語対応となるでしょう。
Tutanota の UI は日本語で利用可能です。
iOS クライアントがとても遅いときの対策案
iOS クライアントの動作が凄く遅いです。アプリを開いてからログイン処理が走り、メールを表示するまでに10秒以上かかってしまっています。
対策としては iOS アプリ版ではなく、Web版 を利用することです。Safari といったブラウザで Tutanota を利用するほうが動作が快適です。
Safari の「ホーム画面に追加」機能を使えば、ほぼアプリ版と同等の操作ができます。ただ Push 通知等が使えなくなるので、アプリ版もインストールしておくほうがいいです。
まとめ
ざっくりとした Tutanota についてでした。
一市民のメールなんて誰も見ないし興味ないだろうとも思いますが、やはり施せる対策は施していきたいのです。
参考
↑って医療学会のサイトなのですが、暗号化についてわかりやすく書いていてびっくりします。
Photo by John Salvino on Unsplash