WSL2でYubikeyを利用する。

2021/04/02,

動機

私はGPGが好きです。GPGキーを1つ持っているだけで、パスワードやファイルの暗号化に、gitのコミット署名、SSHの認証キーとして利用できるからです。

私はYubikeyが好きです。U2Fのセキュリティキーとしても利用できますし、GPGキーの格納デバイスとしても利用できるからです。

YubikeyでGPGキーを管理すると、複数のマシンでGPGキーを保存しておく必要がなくなり、鍵管理が楽になります。

普段はUbuntu Desktopで作業していますが、WSLもこなれてきたのでWindowsで開発もありだなぁっと思えるようになりました。

なのでWSLでYubikeyを使いたい。

ということでやってみた。

前提

YubikeyにはすでにGPGキーの設定がされているものとします。

やり方はこれが一番詳しい

drduh/YubiKey-Guide

方法

Windows側での操作

gpg4winをインストール

gpgを利用できるように、gpg4winをインストールしてください。

PuTTYのインストール

SSHクライアントのPuTTYをインストールしてください。(もしかしたらいらないかも?)

gpg-agent.confの設定

gpg-agentの設定ファイルgpg-agent.confを編集します Windows 10の初期設定だと、C:\Users\%USERNAME%\AppData\Roaming\gnupg\gpg-agent.confにあります。

下記を追加してください

enable-putty-support

gpg-connect-agent /byeの自動起動設定

パソコンを起動したときにgpg-agentを自動起動するように設定します。

自分はgpg-agent.vbsというファイルを作成して、スタートアップに登録しています。

方法
  • Win + Rshell:startupを入力してスタートアップフォルダを開く
  • gpg-agnet.vbsというファイルに以下を記述。画面表示をしないように設定しています。
Set objWShell = CreateObject("Wscript.Shell") 
objWShell.run "gpg-connect-agent /bye", vbHide 

以上でWindows側の設定は終了です。

WSL(Linux)側での操作

WSL側の設定を行います。WSLのシェルのなかで作業してください。

今回、WSL側からgpg-agnetを利用するために、wsl2-ssh-pagentを使います。

wsl2-ssl-pagent は、socatssを必要とします。必要に応じて各ディストリビューションの方法でインストールしてください。Ubuntuの場合、以下のコマンドでインストールできます。

sudo apt-get install socat iproute

wsl2-ssl-pagentをダウンロードし、実行権限を付与します。

$ wget -O "$HOME/.ssh/wsl2-ssh-pageant.exe" https://github.com/BlackReloaded/wsl2-ssh-pageant/releases/latest/download/wsl2-ssh-pageant.exe
$ chmod +x "$HOME/.ssh/wsl2-ssh-pageant.exe"

~/.bashrcに以下を記載します。

## SSHの設定
export SSH_AUTH_SOCK=$HOME/.ssh/agent.sock
ss -a | grep -q $SSH_AUTH_SOCK
if [ $? -ne 0 ]; then
        rm -f $SSH_AUTH_SOCK
        (setsid nohup socat UNIX-LISTEN:$SSH_AUTH_SOCK,fork EXEC:$HOME/.ssh/wsl2-ssh-pageant.exe >/dev/null 2>&1 &)
fi

## GPGの設定
export GPG_AGENT_SOCK=$HOME/.gnupg/S.gpg-agent
ss -a | grep -q $GPG_AGENT_SOCK
if [ $? -ne 0 ]; then
        rm -rf $GPG_AGENT_SOCK
        (setsid nohup socat UNIX-LISTEN:$GPG_AGENT_SOCK,fork EXEC:"$HOME/.ssh/wsl2-ssh-pageant.exe --gpg S.gpg-agent" >/dev/null 2>&1 &)
fi

再起動

変更内容を適用するためにパソコンの再起動、またはgpg-agentの再起動とWSLの再起動を行ってください。

gpg-agentの再起動

Windows側で

gpg-connect-agent.exe killagent /bye
gpg-connect-agent.exe /bye

WSLインスタンスの再起動

Windows側

WSLのディストリビューション名を調べる。

wsl -l -v

出力

  NAME            STATE           VERSION
* Ubuntu-20.04    Running         2

WSLのディストリビューションを終了する

wsl -t Ubuntu-20.04

終了した後、WSLを起動する

動作確認

WSLからYubikeyが認識しているか

~$ gpg --card-status
Reader ...........: Yubico YubiKey OTP FIDO CCID 0
Application ID ...: *****************************************
Application type .: OpenPGP
Version ..........: 2.1
Manufacturer .....: Yubico
Serial number ....: ********
Name of cardholder: [not set]
Language prefs ...: [not set]
Salutation .......:
URL of public key : [not set]
Login data .......: [not set]
Signature PIN ....: not forced
Key attributes ...: rsa4096 rsa4096 rsa4096
Max. PIN lengths .: 127 127 127
PIN retry counter : 3 0 3
Signature counter : 0
Signature key ....: **** **** **** **** ****  **** **** **** **** ****
      created ....: 1970-01-01 00:00:00
Encryption key....: **** **** **** **** ****  **** **** **** **** ****
      created ....: 1970-01-01 00:00:00
Authentication key: **** **** **** **** ****  **** **** **** **** ****
      created ....: 1970-01-01 00:00:00
General key info..: [none]

WSLからYubikeyを利用してSSHが利用できるか

$ ssh -t [email protected]
Hi Ouvill! You've successfully authenticated, but GitHub does not provide shell access.

動作しているのを確認できたら完了。お疲れ様でした。

参考

BlackReloaded/wsl2-ssh-pageant WSLでYubikeyを使う [Windows] バッチファイル(.bat)を非表示・最小化した状態で起動する SSH authentication using a YubiKey on Windows (PCではなく)WSL2のみを終了、再起動する方法


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